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実際に通って徹底調査!シナリオセンターの本当の評判とは?4つのメリットと2つのデメリットも紹介

「シナリオセンターってよく聞くけど、どんなところ?」
「シナリオセンターに入る前に評判を知っておきたい」
「シナリオセンターでは、どんな内容の講座をやっているの?」
プロのシナリオライターになりたいと思っている方は、一度はシナリオセンターのことを調べたことがあるのではないでしょうか?

ぜひ、最後までお読みください。

シナリオセンターの評判

1970年に発足したシナリオセンター。創設者は新井一先生です。
これまでに60,000人以上(2017年4月時点)が学んでおり、その内の3,000人がデビューしています。
それでは、シナリオセンターの評判をみていきましょう。

体験談

ここでは、わたしが体験した授業内容や講師について感じたことを紹介します。

講座や時期によって講師は変わります。わたしが8週間講座を受けたときの講師は、仲村みなみ先生でした。アニメや漫画の原作で活躍されている方です。

シナリオ作家養成講座では、柏田道夫先生が教えることもあります。迫田先生は、映画『武士の家計簿』の脚本で知られています。

第一線で活躍されているプロの方が基礎を教えてくれますので、安心して学ぶことができます。また、プロの心得をときおりポロッと呟いてくれることもあり、かなり参考になります。

しかし、元シナリオセンターに通っていた人のブログを読むと、講師がシナリオのプロではないとの指摘があります。あまり良くない印象を受けますが、実際はどうなのでしょうか?

たしかに、本科・研修科の講師に関してネットで調べても、名前が出てこない方がいます。実績がなく、講師になっている方もいるようです。わたしが本科で学んだ講師は、名前が出てきませんでした。

実績がない先生だから、指導が参考にならないということは決してありません。
シナリオの全体のバランスをしっかり把握して、アドバイスをくれます。シナリオを書くにあたってのルールが守られていないときは、それも指摘してくれます。

実績のない講師に習う上でのデメリットを上げるなら、若干、シナリオを視る観点に古さを感じることです。これは、今現在のシナリオ界では活躍しておらず、最新の情報を取り入れられていないことが要因と考えられます。

この古い観点を、どう捉えるかは人それぞれです。
私自身は、その古さも含めて一つのアドバイスとして受け止め、シナリオ作りに活かしています。

口コミ

実際に講座を受けた人のコメントを紹介します。

オンラインで講座に通っている人のコメントです。

本科を修了した人のコメントです。

以前、シナリオセンターに通っていた人のコメントです。


かなり好印象な口コミばかりです。

しかし、ネットを調べていくと、

  • デビューできない
  • 課題の意図が分からない
  • ゼミは素人同士の感想の言い合い

など、あまり良くない評判も出てきました。

ただし、シナリオセンターを卒業して、実際にデビューしたシナリオライターがいるというのは紛れもない現実です。

課題の意図、ゼミでの感想については、見出しの「シナリオセンターに通う4つのメリット」で解説していきます。

シナリオセンターで体験した4つの講座

わたしが体験した4つの講座について紹介していきます。
わたし自身は、ほとんどの講座をオンラインもしくは通信で受けています。ちなみに、オンラインはZoomで行います。

通学した実体験を知りたい方が、中にはいらっしゃるかもしれませんが、通学もオンラインもやっていることは同じです。
なぜなら、オンラインは講座のライブ配信になるからです。通学生の背後にカメラがあり、講師の授業を映像で見ながら学ぶことになります。

1.8週間講座

基礎講座としては、半年かけて学ぶ「シナリオ作家養成講座」と「8週間講座」があります。ここでは、わたしがオンラインで通った「8週間講座」について紹介します。

内容

8週間講座は、シナリオの基礎を2ヶ月で習得する講座になっています。
この講座の特徴は、少し駆け足で進むことです。すでにシナリオ制作の経験がある方に向いています。

シナリオを作ることが初めての方は、おそらく途中でついていくのが大変になるかと思います。じっくりと基礎を学びたい方には、半年かけて学べる「シナリオ作家養成講座」がおすすめです。

8週間講座では、初歩的なシナリオの書き方(登場人物の名前の表示のルールなど)から教えてくれます。回を重ねるごとに、技術的な見せ方を習っていきます。

8週間講座の金額は、入学金が2,200円、授業料が23,100円(全期・教材費・税込)です。

個人的には、かなりリーズナブルだと感じました。わたしは今まで、演劇のシナリオを書いたことがありましたが、基礎を何も知らずに書いていたのだなと実感しました。大変勉強になる講座になっています。

課題

毎週、課題が出ます。
初回の課題は、初心者向けです。シナリオの形式を理解しているかを確認します。ページ数も400字詰め1枚から始めます。

回を重ねるごとに、ページ数が増えて、難しい課題になっていきますが、課題の書き方もレクチャーしてくれますので安心です。しっかりと講座を聞いていれば、書ける内容になっています。

添削

自分の書いた課題のシナリオに、赤字で添削が入ります。添削は、初回以外は講師の先生が担当してくださいます。

ダメ出しのような赤字はほとんどなく、良い所をほめてくれます。また、シナリオの初歩的な書き方が間違っていれば、そこはしっかりと指摘してくれます。

最後のページには、読んだ感想を添えてくれるので励みになります。また、自分のシナリオが、第三者にどう理解されているのかを確認することができますので、今後の創作に大いに役立ちます。

2.本科

本科では、20枚のシナリオを20本作ります。シナリオの課題はすでに決められており、それを順番にクリアしていく形です。それでは、詳しく本科を見ていきましょう。

内容

本科からは、ゼミ形式となります。8週間講座は、学校の授業のような雰囲気ですが、ここからは、お互いにシナリオの感想を述べる形となります。

本科の流れは…

  1. 完成したシナリオを持ち込む
  2. みんなの前で自分のシナリオを発表
  3. ゼミ生の感想を聞く
  4. 講師の感想を聞く

上記のようになります。
ゼミの日に、シナリオを持ち込む人が多ければ、順番を決めて発表していきます。

本科の金額は、入科金が10,000円、授業料が8,800円/月です。

オンライン本科の人数は、かなり増えている状況で、シナリオを持ってきても、翌週のゼミに持ち越しということもありました。シナリオを準備してきたけれど、当日に読めないという状況のときは、少しストレスを感じます。そこは、「お互い様」の精神で行くのが、上手くいくコツです。

課題

20本の決められた課題をシナリオにします。

200字詰めの原稿用紙を昔は「ペラ」といったそうで、ペラ20枚を書くので、「20枚シナリオ」と呼ばれています。現代の感覚では、400字詰め原稿用紙の方が馴染み深いですよね。課題は、400字詰め原稿用紙に換算すると10枚ということになります。

出てくる課題は、よく練られているものばかり。プロのシナリオライターになるには、必須の要素が学べます。1番目の課題は「ハンカチ」です。小道具の使い方を学びます。
シナリオの中で、「ただのハンカチ」になるか、「特別なハンカチ」にできるか、すでに発想と技量が問われています。

添削

オンラインの場合、シナリオセンターへメールで課題を送ります。約1週間~2週間ほどで添削されてメールが返ってきます。
8週間講座と違って、シナリオに直接赤字が入ることはありません。感想や指摘が文章で書かれたPDFが送られてくるという形式です。

直接赤字が入るよりも、若干の物足りなさは感じます。しかし、指摘については鋭いものが多く、参考になっています。感想も、自分の描いたシナリオの世界を講師目線でしっかりと言葉にしてくれますので、自分の書いたものがどのくらい伝わっているのかがよく分かります。

3.研修科

研修科では、20枚シナリオを30本作ります。
課題の内容は、回を追うごとに本格的になっていきます。

内容

本科と同じで、ゼミ生の前でシナリオを発表して感想をもらうという形式は変わりません。

しかし、本科と違うこともあります。

  • 講師に提出して添削を受けたシナリオは、ゼミ生の前で発表できない
  • 生徒の前で発表すれば、講師の感想・ゼミ生の感想が両方もらえる

以上の2点が、本科とは違います。

研修科の金額は、入科金が10,000円、授業料が8,800円/月です。

研修科も人数が多いため、希望している曜日や時間に入れるかどうかは、そのときの状況次第です。空き状況は、シナリオセンターへ問合わせれば確認ができます。

課題

研修科の課題は30本です。ここが山場だといえます。
わたしは現在、ここで止まっている状況です。なかなか難しい課題が出てきます。

ちなみに、30本の課題の最後は「時代劇」です。ここまで来れば、楽しい課題かもしれませんが、30本の道のりは、シナリオを書く体力と発想が求められます。
頑張って乗り切りましょう!

添削

ここでは、私が利用している通信の添削についてお伝えします。

通信の研修科は、シナリオに直接赤字が入ることはありません。講評という形で、感想と指摘をもらえます。個人的には、通信の添削はあまり指摘はもらえない印象があります。

4.アドバンス講座

アドバンス講座は、シナリオの幅広いジャンルに対応するための講座です。
時期によって開催する講座が違いますので、シナリオセンターのメール配信やホームページを確認する必要があります。

内容

アドバンス講座は、基本的に2~3回になっており、短期間で終わる講座になります。

わたしが今まで受けたアドバンス講座は以下になります。

  • 企画書講座
  • 漫画原作講座
  • ト書き講座
  • シナリオ公募コンクール対策講座

自分には何が足りないかを考えて、それを補えるような講座や、戯曲やアニメシナリオ、漫画原作など、ジャンルの違うシナリオをどう書いていけばいいのかをレクチャーしてくれる講座があります。

課題

受ける講座によって、課題は千差万別です。

例えば、ト書き講座の場合、2枚のシナリオの中にセリフは2つのみ、それ以外はト書きで書きましょう。という課題が出たりします。

講座で習ったことを活かして、課題を進めるという形が一般的です。

添削

講座によっては、添削が返却されるまで1ヶ月以上かかることもあります。そこは気長に待ちましょう。

みっちりと添削をしてくれる講師もいれば、数行の感想で終わる講師もいます。
どちらにせよ、的確なアドバイスが多い印象です。講座を受けなければ見えてこなかった自分の弱点や特徴を再発見することにも繋がります。

ぜひ、一度、アドバンス講座を受けてみてください。

シナリオセンターに通う4つのメリット

シナリオセンターは1970年に創設されました。そのため、受講のシステムや課題が古いことがあります。
しかし、時代に取り残されまいと、シナリオセンターはさまざまな工夫をしてきています。わたし自身、シナリオセンターに通い始めて、出される課題の奥深さを実感しています。

ここでは、シナリオセンターの4つのメリットを紹介します。

1.通う方法が3つから選べる

今までシナリオセンターには、通学と通信の2つしかありませんでした。そこに、コロナ禍が襲い、オンラインという手段が増えました。
シナリオセンターでは、3つの方法から学ぶ方法を選べます。

  • 通学
  • オンライン
  • 通信

通学のメリットは、友達ができることです。シナリオライターを志す仲間と語り合うことができます。自分は一人ではないと感じられるのは、大きな励みになります。
ゼミで知り合った仲間同士がグループを作り、共同台本を作成するということもあるようです。人脈を開拓するには、通学がうってつけでしょう。

オンラインのメリットは、わざわざ、シナリオセンターまで通わずに済むのが、最大のメリットです。通うとなると、交通費と時間がかかります。授業開始の少し前にパソコンを立ち上げて、Zoomに繋げておけばよいので、大変便利です。授業内容も変わりません。

通信のメリットは、通信のメリットは、時間に縛られずに自分のペースで進められることです。仕事が忙しく、毎週決められた時間に通えないという人にはうってつけです。

自分の目的に合った通学方法を選べることが、シナリオセンターの強みになっています。

2.お手ごろな授業料

授業料は、良心的なお値段です。生徒数が多いからなのか、払えない金額ではありません。

8週間講座の内容で、授業料が23,100 円は、リーズナブルだと思います。質問にもしっかりと答えてくれますし、添削も充実しています。

本科、研修科は8,800円ですが、週4回あるので、1回2,200円に換算できます。
シナリオを発表できれば、充実した授業になりますが、そうでなかったときは、人によっては授業料が高く感じるかもしれません。

アドバンス講座に関しては、セミナー生は少し割引になります。

3.思いつかない課題に向き合える

シナリオセンターで出る課題は、すべて新井一先生が考えたメソッドから導き出されたものです。

例えば、本科の課題では、「ヒモ」という課題が出てきます。つまり、「ヒモ男」を登場させなければいけません。なかなか、自分では、思いつかないようなテーマですよね。それに、昭和臭さのあるテーマでもあります。

「ヒモ」で問われているのは、人間関係です。人間同士のやり取りを人間臭く描けるかが大切です。根本的なことがテーマとなっているため、実は時代的に古い課題ではないのです。

また、課題のなかには、すんなりと書けない難しいものもあり、四苦八苦するわけですが、その過程が大事です。テーマと向き合って、「あーでもない、こーでもない」と無い頭を振り絞っていると、アイデアがポロッと出てきます。

プロになれば、プロデューサーの希望通りに書かなければならないこともあるでしょう。そんなときに、「このテーマは難しいから書けない」とはいえません。

シナリオセンターで与えられる課題は、プロになることを想定したステップだと考えて取り組むと、シナリオを書く力が鍛えられるように出来ています。

4.ゼミでは人から感想がもらえる

ゼミではシナリオのプロを目指す仲間たちから感想がもらえます。ネット上の評判を見ると、ただの素人同士の感想だから意味がないという指摘もあります。

しかし、本当にそうでしょうか?

生徒たちはプロではありません。ですから、視聴者目線とセミプロが入り混じったような感想がもらえます。

シナリオを書いている本人が思い描く世界と、シナリオを聞いた生徒たちが思い描く世界には、少し乖離があったりします。これが、かなり参考になります。
つまり、自分が伝えたかったことが、伝わっていなかったことを示しているからです。今後、どうすれば伝わるのか?それを研究するには、うってつけの環境です。

また、良ければ素直に面白いといってくれる生徒さんたちが多く、シナリオを書いている身としては嬉しくなります。
なかには、きつい言葉で感想をいってくる人もいますが、それはそれ。自分のシナリオのことを真剣に考えてくれているのだと思って、受け止めましょう。

シナリオセンターに通う2つのデメリット

シナリオセンターに通っていて、気になったところが2つあります。

シナリオセンターも客商売ですので、いかに収益を出すかを考えています。その点を理解した上で、プロを目指す側から見ると、「ちょっとデメリットだよな」と感じる2点を紹介します。

1.時間がかかる

シナリオセンターは、研修科を修了すると、「ライターズバンク」という仕事紹介の場に登録することができます。

しかし、そこへたどり着くまでには時間がかかります。

例えば、シナリオ8週間講座から始めて、本科、研修科を経ると、最短でも2年3ヶ月です。それまでに、自分の周りの環境が変わっている可能性もあり、シナリオを書き続けられるのか、という問題も出てくるかもしれません。

また、仕事紹介にもオーディションが存在します。仕事をもらうためには、そこで勝ち抜かなくてはなりません。当たり前かもしれませんが、プロになるためには、険しい道が待っています。

2.知識のフォローが必要

基礎講座や本科、研修科では、企画書の作成、小説の書き方、マンガ原作の書き方等は教えてくれません。

シナリオを書く基礎は教えてくれますが、それから、自分の希望する道へ進みたいとなったときは、知識や技術を補う必要があります。
本やネットでも調べられますが、独学だと少し不安も残ります。

そんなときに頼りになるのが、アドバンス講座になります。
余計に料金と時間がかかってしまうのがデメリットですが、得られるものも多くあります。

シナリオセンターの評判│プロを目指す人にはおすすめ!

ここまで、シナリオセンターについて書いてきました。ネット上を調べてみると、人によっては、「必要ない」と評価されています。

しかし、わたし個人としては、かなり参考になっており、通ってよかったと感じています。
ドラマや映画、漫画や小説を見る視点が、確実に変わりました。オンライン講座は気軽に参加できますので、かなりおすすめです。

シナリオを書きたいと思っている人たちが、こんなにたくさんいるのだと励みになります。一人で黙々と書いているよりも、みんなも頑張って書いているのだから、私も頑張るぞという気持ちになります。

書き続けなければ、プロへの道はありません。と、自分自身にいい聞かせています。シナリオセンターは、夢を笑ったりせず、プロになりたい気持ちを真剣に応援してくれる場所でもあります。

シナリオセンターに入ろうか迷っている方は、ぜひ、ワークショップだけでも受けてみてください。目から鱗が出るほど、面白いですよ!